クライミング講習 (平成20年4月29日 埼玉県 東吾野の岩場) 
山岳ガイドグループ イエティ(遠藤晴行ガイド代表)に参加

日帰り

Fさん これから核心部。逆層の出口の一手が難しい 逆層の抜け口が難しい。そ〜れ・・・

概要
イエティの冬期講習にこの時期になって初回の参加。もう、4月なのに・・・・
それに、冬山じゃなくてクライミング講習というのが哀しいところ。
今シーズン初の外岩だ。小さな岩場だけど空いているとの事で埼玉まで日帰りででかけた。

4月29日(水・祝)
AM3:00に起床して、AM3:30自宅発。飯能駅に9:30集合。別にこんな早く出かける必要はないのだが高速の深夜割引の魅力には抗しがたい。
途中で時間調整のため、仮眠したり食事をして9:00頃に飯能駅着。9:30に集合。受講者は私を含め3名。
久しぶりに遠藤さん、福田さんにお会いする。
車で、移動するが、この岩場は判り難いことこのうえない。
この岩場はアプローチ0分。道路の下が岩場。

岩場には3パーティーほどがトレーニング中。どちらかといえば、フリーよりはアルパインのトレーニングっぽい方が多い雰囲気だ。
リングボルト主体のプロテクション。

私以外の2名の方はクライミングを始めたばかり。でもFさんは消防さんとか。スタティックロープは本職。若いし身体も大きいので直ぐに上手になるのだろう・・・と想像する。
全員でトップロープ、懸垂下降のシステムを確認。私は流動分散での支点作成の確認を受ける。
私も今シーズン初の外岩なので確認は丁度よい。

昼食を摂っていると男女2名のパーティーがアイゼントレーニングは問題ないでしょうか?と聞いて来た。これが彼らのアンラッキーの始まり。
私達が食事を終え、私と遠藤さんは自己脱出、マルチのトレーニング。
福田さんとFさん、Oさんはトップロープで簡単な方から順々に登ろうということだったけれど、私が今シーズン
初外岩ということを勘案してか遠藤さんが「まっ、皆で簡単な方から登ってからにしようよ。」となった。
久々の外岩の感触を楽しみつつ1本目を登り、Fさんをビレー。隣では遠藤さんがOさんをビレーしていた。

下の方から、短い叫びと「どちゃん!」という嫌な音が聞こえた。
私「遠藤さん、何だか妙な音がしましたね。」
遠藤さん「うん、嫌な音がしたね。トップが落ちたなぁ?」
私「・・・・ですか」

とはいえ、只今、ビレー中。
Fさん、Oさんが降りて下を覗くと、先ほどのアイゼントレーニング云々というパーティーだ。
女性の方が脚を傷めたようだ。男性が救急車を要請するが負傷者本人は要らない。という。
他パーティーの協力についても女性は消極的だ。
それなら、まあ当事者で結論がでたら。ということで私達は待機。暫くして結局、車道まで上げる時に協力をして欲しい。
とのこと。負傷者のパートナーもいるし、遠藤さんもいる。まして消防のFさんもいるし、他パーティーの方も来られたので
船頭が多くても仕方ないので私は余計な口を挟まずに様子をみていた。

どうも、受傷者パーティー当事者間の合意で靴(登山靴)を脱がせてしまったようだが、どうして脱がせたのが不明。
多分、受傷個所に靴の上端が当たり痛かったんだろう。
でも正直、あ〜あ、やっちゃたね。って感じだ。
Fさんが痛がる受傷者に簡略な副木を添えて物資の無いなか負傷部位を仮固定。
人数がいるので、担ぎ上げてるのが手っ取り早いとなり、サポートをつけて担ぎ上げた。
かなりの痛みを訴えていたのと、変形から骨折していることは想像に難くない。

結局、救急車を呼ばすに、自家用車で搬出した。私は受傷者にバファリンを渡し、病院に着いたらバファリンを服用したことを
伝えるように話し、飲んだ包みを医師に渡すように負傷者本人に伝えた。
自分なら、バファリン2倍量パカッと飲んじゃうけれど、他人様の身体。
セカンドエフェクトに責任も持てないし通常量を渡した。

何だか少し興ざめしたが気をとりなおしてトップロープの続きを行い17時近くになり終了。
鶴ヶ島ICまでの間渋滞にウンザリしながら通過。
21時30分を少し過ぎて自宅着。

事故は嫌だ。
今回は靴を脱いだのが問題点としての第一点。
担ぐなら、ハーネスを着けているので、この場合は小国山岳会、竹田方式が一番簡単と思う。これが第二点。
ガムテープがあればもっと簡単に負傷部位の仮固定が簡単だった。これが第三点目。
第四点目は仕方ないとしても、負傷者パーティーの意思決定に時間がかかりすぎている。

第一点目、第四点目において負傷者自身がかなり辛い思いをした感は否めない。
これら四点が今回の事案で気がついたことだ。

とはいえ、受傷者が周囲に気遣い他人に迷惑を掛けたくない。という意識と
痛みでウンウン唸ったり、叫ぶ様は痛々しいものがあった。





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